がんと宣告され、それに対する心の反応として、次のことが言われています。初期反応期としては、「頭が真っ白になった。言われた後のことは覚えていない。」など強い衝撃と絶望の期間が2~3日。不適応期間として、不安、不眠、食欲低下、集中力の低下、が1~2週間。適応期間として、不安、抑うつの症状が軽減していき、徐々に現実適応していくが、疎外感や孤独感が残る期間が、2~4週間。人によって様々ですが、適応障害とうつ病となってしまう人が20%~25%いるそうです。
がん医療に携わる人には、医師(担当医、放射線医師、腫瘍内科医、緩和ケア医)、薬剤師、看護師、ソーシャルワーカー等、様々な専門職がいて、連携して治療や支援を進めています。こうした中に、労働保険・社会保険の専門家である社労士が関与することで、現実を受け止め、どう対応していくのかの情報整理ができるのではないかと思われます。
どういう問題を抱えていて、利用できる制度はどんなものがあり、治療と就労をどのようにしていくのか、会社には誰に、どこまで伝えるのか等、前に向けての対応ができるのではないかと思います。なお、社会保険労務士法第21条では、その業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならないという秘密を守る義務が規定されています。